釣具マニアです。
東京湾の湾奥老舗船宿の常連客は
サクラ釣具の竿が好きなようだ。
シマノ、ダイワと比べて先進的なデザインとか
最新技術から喧伝される物理特性とかも無縁のように思えるのだが
必要な物は使っているのが櫻井釣漁具。
単純に和竿の様に趣味性の強く伝統工芸品的な風な所もあるが
実際はかなり戦闘力の高い竿ばかりなのです。
例えば釣具マニアが通う湾奥の船宿の名人たちは
揃ってサクラ釣具の竿を使っているのである。
名人と言われるぐらいであるから
竿頭は当然ながら、次頭との釣果の差も大きく
釣れる魚の数は他を圧巻している。
サクラのブランクは江戸前のテーストを残したデザインで
このようなベテラン連中に好まれるのかと思いもしたのだが・・・
大手量販店である対象魚を指定して
最高の竿は何かとたずねたところ
「ああそれじゃその釣りを一番熟知している店員を呼んできますと」
ある対象魚の釣りに精通した店員を連れてきた。
その店員さん曰く
「ああ、最高の竿ですか?初心者は好みませんが」
とサクラ釣具のホソ・カル・ピンの
金剛シリーズの竿を持ってきたのでありました。
ダイワかシマノフラッグシップモデルと思いきや
「サ・サクラ・・・ですか・・・?」
「ええ、使えば分かる実践的な竿ですよ」
「はあ?サクラね~」
地味な見た目に引き合わない高額な値段な事もあり
その時は購入を差し控えたのですが・・・。
竿頭の名人クラスと話す機会が多くなるにしたがって
名人はサクラ釣具愛用者が圧倒的に多いことです。
やはり、竿はスペックなどでは測れない調子と言う物があります。
これは使って、手直しをしないと、なかなか表せない物なので
テスターが何度も何度も手に合うように感触を修正していきます。
その釣りで使うテクニックが
一番手に合うようにできるのが専用竿。
釣れるからサクラ!だそうです。
こんな感じがサクラ竿と熱弁をふるう店員さん。
そうなるとサクラが欲しくなるのも人情と言うものです。
本当に欲しいものなら釣竿1本ぐらい何とかなるのですが
もしですよ?
サクラの高級竿を使って貧果と考えると恥ずかしい!
何て思って・・・
つい、躊躇してしまうんですよね。
それでも、何時はサクラと思いつつ1年ついに購入してしまいました。
ホソ・カル・ピン 金剛激かわはぎ!
名人ご用達の名竿です。
名人ご用達の竿であるだけでなく
船宿の船長熱愛の名竿でもある激カワハギは感度がすごいだけではなく
極めて実践的なスーパー高感度竿なのです。
「釣具マニア~なんじゃそれ」
傲岸不遜、その場その時その気分のK氏が
釣具マニアの竿をみてのたもうた。
「これですか、サクラの激かわはぎです」
「はっ!お前、よくそんな竿買う度胸があったな」
「どど、どういう事ですか?」
「お前な~そんな名竿で釣りして、釣れなかったら如何すんの?」
「如何するとは?」
「私はいい道具を持っても魚が釣れない
下手糞のへたれ野郎ですと回りに告知するようなもんじゃないか」
「へへ、へたれ・・・・!
あなた随分と厳しいプレッシャーをかけるじゃありませんか!」
「釣具マニアの腕なら
ジェネリック釣具で十分だし好くてもメーカーのエントリーモデルてところだろう」
「ま、まあ否定はしませんがね」
「や~い、釣れなかったら恥ずかしいぞ~」
「ぐっ・・・・・💧」
「この、勘違い野朗~」
「・・・・・💧」
さてと、K氏の罵詈雑言を聞きながらポイントに到着。
先ずは仕掛けを投入です。
するとカカカカッンとボトムに着く前に早速のアタリ。
コンとか、ブルッとかのアタリの
インフォメーションでまくりで
僅かのあたりでも聞いてしまうと乗ったはいいが
すぐにバレてしまうようなこと暫く続きます。
流石に高感度竿 激かわはぎです。
魚の情報量は半端がありません。
船長から「釣具マニアさんの竿 激なんだ乗せ調子の方?」
「もちろん乗せ調子です。
掛け調子なんて無理ですよ~
掛け損ねるは、バレルはで如何すればいいのよ~」
「かわはぎのアタリ出すようにして
食わせの間がないと駄目だよ~
如何すればなんて言ってる人はカワハギ釣れないよ~
カワハギは難しいんだから」
「ギャハハハ~
だから釣具マニア言った通りじゃないか船長もっと言ってやって
お前には分不相応だって」
「そんな事ないよ下手糞こそ
いろんなアタリを提供してくれる竿とかを初めから使ったほうが
上達して上手くなるんだから」
「そうですよね!
情報を整理できれば無敵ですからね・・・
えっ! 下手糞????
船長!今、下手糞!って言ったでしょう!」
「記憶にございません」
「ギャハハハハ~」
「Kさん笑いすぎですよ!!」
さて・・・午前中恥ずかしい釣果の釣具マニア
午後も暫く迷走状態です。
午後1時を回ったところでしょうか?
叩いたり、ゆっくり誘ったりして、間をおいた時に出る
ある魚信を聞いてみた時の事です。
カカカカカッ!
明らかにカワハギの引きが手元に伝わって
来るではありませんか!
釣れたのは、なんと!26cmのカワハギ君
そしてまた同じようなアタリを聞いてみると
またもや、ナイスサイズではありませんか!
それからです、コスタントに掛けられるようになったのいは
急に目の前の霧が晴れるように
かわはぎ君を掛けられるようになって来ました。
今までスカスカのバケツは
急にかわはぎ君で急激に蜜になっていくではありませんか。
「あれ~なんだよ~それじゃつまらないじゃないか」
「ハッハ~これこそ激の真骨頂
見たか!!俺の感度びんびんの激竿を!
黒くてヌメヌメと光輝くビンビン君だぞ」
「・・・・・💧」
「俺の竿にかかればカワハギなんぞ一網打尽だ!
見ろこのカワハギを
感度ビンビンのこの竿で釣られたこのカワハギは
激かわはぎ ステキ!と鳴いているじゃあ~りませんか」
「はあ・・・・」
「聞こえない?ほ~れよく聞いてみて
あ~ん、いやんステキ❤と鳴いているでしょ」
「えっ~・・・💧
俺にはグビグビとしか聞こえんのだが・・・」
分からない人は放っておいてオラオラ状態な私のスタンドが
行くぞ、かわはぎ!
と思い釣りを続行しようとしたのもつかの間・・・・
船長の無情のアナウンスが・・・
「は~い、前半ね苦労したようですが
後半だいぶアタリ取れるようになった人もいるようです
時間になりましので~本日はおしまいになりま~す」
「えっ・・・待ってって」
「釣具マニアさん又のおこしをお待ちしています」
「・・・・・・💧」
「数を数えておいてください」
「・・・・・😖」
最新のカワハギロッドは本当に高感度になりました。
特に穂先の振動の減衰率に注目され
高感度の代名詞のように
新素材が喧伝されるようになりましたが
竿は穂先だけではありません。
振動は穂先からブランクを通って手元に振動が伝わります。
ベリー、バッド部のブランクの素材が安物で性能が悪ければ
折角、穂先から生み出された振動は吸収されて振動が小さくなってしまいす。
反対に軽くて張がある素材で作られたブランクは
製造原価が高い、その代わり高感度でもありますが
尖がりすぎるきらいあります。
そうすると今度はカワハギを掛け切れない、針を弾く
掛ける間が作くるのが難しいところがあり
使い手の技量が伴わないと釣れない諸刃の剣のような竿です。
多くの高感度フラッグシップのカワハギ竿のなかで
なぜ名人連中が好んで使うのか?
ホソ・カル・ピン 金剛激かわはぎ は尖がった中でも
インフォメーションの多さは当たり前として
掛けるアタリを捕らええる間があるという感じがします。
まあ・・・下手糞のなのではっきりいえませんが
激には掛けるアタリと間が分かるので
それを捕らえれば釣れるのではないかと思うのですよ。
この記事もですね
自分の竿は自慢したいからの所が多く
いい事ばかり言ってしまうのは
平にご容赦ください!
たぶん私は2年後には名人となるよりも
たぶん迷人の方になるでしょうね
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